about Keith Jarrett and Miles Davis's ensemble

キース・ジャレットの伝記(2020年7月英語版)と、マイルス・デイヴィスの結成したバンドについて、英日対訳で読んでゆきます。でゆきます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

第2章(2)The Mile Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensemble

Postproduction as a Compositional Process 収録後から発売までの工程:曲作りとしての検証 “Pharaoh's Dance” and “Bitches Brew,” the compositions that open Bitches Brew, are the album's most extended compositions. They are the most densely lay…

第2章(1)The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensemble

The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles by Bob Gluck(2016) Chapter 2 “Bitches Brew,” in the Studio and on the Road 第2章 「ビッチェズ・ブリュー」スタジオとライブと With that band we were playing our butts off, every…

第1章(最後)The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensemble

All the Pieces in Place: The Davis Band Develops a New Chemistry 適材適所へ:デイヴィスのバンド、新たな化学反応をおこす Jack DeJohnette's presence in the drummer's seat during the band's stand at Duffy's Backstage in Rochester, New York, i…

<1章(3)>The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensemble

A New Pianist: Chick Corea 新たなピアノ奏者 チック・コリア Chick Corea was raised in a musical household; his father was Armando Corea, a trumpeter and bassist who played the jazz clubs around their hometown, Boston, and nearby Cape Cod. C…

<1章(2)>The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles

My favorite example is from the quintet's appearance at the Paris Jazz Festival, held at Salle Pleyel on November 6, 1967. Wayne Shorter's “Masqualero,” a constant on the November 1967 European tour, receives a striking treatment, beginnin…

<1章(1)>The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles

The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles by Bob Gluck(2016) Chapter 1 Miles Goes Electric 第1章 マイルス、エレクトリックに For musicians within the world designated “jazz” who sought to expand their horizons, 1969 wa…

<目次>The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles

The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles by Bob Gluck(2016) Contents Preface Introduction 1. Miles Goes Electric 2. “Bitches Brew,” in the Studio and on the Road 3. Anthony Braxton: Leroy Jenkins, Musica Elettronica V…

<序章1/1>The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles

Introduction 序章 One of the most serious problems confronted by jazz historians is that, while recordings offer the only tangible evidence we have of the music's development, some of the most important stages in that development were insu…

<前書きに寄せて1/1>The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles

PREFACE 前書きに寄せて I was introduced to Mile Davis's Bitches Brew in 1970 by my family's rabbi, Chaim Stern. At the time, I was a student at Julliard's Preparatory Division. Having just begun to broaden my exposure to music beyond what …

<筆者紹介>The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles

The Miles Davis Lost Quintet and Other Revolutionary Ensembles by Bob Gluck(2016) Bob Gluck is a pianist, composer, and jazz historian, as well as associate professor of music and director of the Electronic Music Studio at the State Univer…

<予告>The Miles Davis Lost Quintet and other Revolutionary Ensemblesを読む

こちら、今後読み進めてゆきます。マイルス・デイヴィスについて、あまり良く知らない私ですが、本書はそういった方にもオススメです♪

<連載最終>Keith Jarrett伝記(英語版)エピローグ、筆者紹介

エピローグ 彼は小型のシルバーグレーのBMWを運転して、私を迎えに来てくれた。運転席から声をかけられると、私は車に乗り込む。私達は彼の自宅へと向かう。鬱蒼とした森に囲まれている、なだらかな丘の上にたたずむ家だ。どこまでが敷地内の芝生で、どこか…

<前半部改訂版>Keith Jarrett伝記(英語版)pp164-171

12.抗うこと/立ちはだかるもの ~最後の涙~ キース・ジャレットとは何者か。我々が目撃する最もクリエイティブなミュージシャンの一人、ソフトな口調で話す男(そもそも人前で話をすれば、のことだが)、高度な理解力に支えられた聴く耳を持つ人、大胆…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp164-167

10.文句垂れ キース・ジャレットとは何者か。我々が目撃する最もクリエイティブなミュージシャンの一人、ソフトな口調で話す男(そもそも人前で話をすれば、のことだが)、高度な理解力に支えられた聴く耳を持つ人、大胆なピアノ奏者、時代の最先端を生き…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp159-163(最後)

彼の作品に対しては、様々意見は分かれていたものの、4年間という短い間に、キース・ジャレットはジャズ以外の分野でも、創作力のあるところで名前を上げていた。誰も疑う余地のないことだが、ジャズの分野での評判が、ジャレットのクラシック分野での活動に…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.154-159

11.音楽のすべてを兼ね備えたアーティスト いつの時代も「作曲」(予め楽譜を用意すること)と、「インプロヴァイゼーション」(前後の流れを鑑みその場で作り発する)とは、ジャズの世界では微妙なバランス関係にある。それが特に顕著になったのが、1960…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.149-153(最後)

こんなにも極端に正反対の判断が下るのには、ジャレットが予見していたとんでもない誤解の数々が、その根底にあるのではないか、と思われる。「バッハの録音は、ドンピシャのタイミングでやれた気がするよ。」ニュージャージー州オックスフォードの彼の自宅…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.145-149

10.クラシック音楽を弾きこなすジャズマン キース・ジャレットがリリースした、J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻」は、大きな話題を呼んだ。選曲が理由ではない。所謂「芸術音楽」とされるヨーロッパ伝統のクラシック音楽について、バロックか…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.139-144(最後)

1985年から1986年にかけてヨーロッパで行われた2つのコンサートの録音「スタンダーズ・ライブ(通称「星影のステラ」)と「スティル・ライブ(通称「枯葉」)も特筆に値する。特に注目すべきは、「スティル・ライブ」。こちらは伝説とも言うべきビル・エヴァ…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.136-139

こういったメロディの数々が、創意工夫に富んでいることは、キース・ジャレットがスタンダードナンバーに頼る傾向にある上で重要な要素なのだ。もっと言えば、彼が自分のインプロヴァイゼーションをする上で使いもになる素材を引っ張ってくるという論理は、…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.131-136

9.アメリカズソングブック 1983年1月の、ある霜の降りるような寒い月曜日のことだった。キース・ジャレット、ゲイリー・ピーコック、ジャック・ディジョネット、そしてマンフレート・アイヒャーの4人が夕食のテーブルを囲んでいたのは、ニューヨークのとあ…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.127-130

「ケルン・コンサート」が1975年にリリースされた際の論評の熱狂ぶりは、これに先行した2作品「フィエシング・ユー」「ソロ・コンサート」以上のものだった。中でも最大級の賛辞を贈ったのが、「ローリング・ストーン」誌に寄稿したロバート・パーマーである…

「喰らふべきアーティスト」キース・ジャレット

キース・ジャレットは、「珍味/珍獣」でなく、日々の糧として「喰らうべきアーティスト」。なぜなら、彼は、「基礎」と「独自性」が確かで、かつ多彩さで人を魅了する…彼の伝記を半年読んで、そう考えます。因みに私は不勉強で、彼の伝記を読み始めるまでは…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.123-127

8.あるカリスマ的レコードの歴史 ご存知の通り、「偉業」の多くは偶然の産物ではなく、手塩にかけて創られるものだ。時にはそれが、意図せず、そして不本意ながら創られることもある。そういった「偉業の創り主」が一人もいなかったのが、1977年の国際現代…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.118-122

この百科事典に載っているもののお陰で、次々と生み出されるレコーディングは、いずれも高い品質なのだ。更には、キャパが大きいことも重要だ。だがこれは、ジャレットが自身の「しきたり/儀礼」を厳格に守った故の結果なのである。殆ど全てのアーティスト…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp.114-118

1996年春、ジャレットは彼のトリオと共に、10回のコンサートを日本で開催し、その後モントリオールでのジャズ・フェスティバルと、ヨーロッパでの夏のフェスティバルにいくつか参加した。その中でも特に、フランスのアンティーブは、彼らトリオがこれ以前定…

Keith Jarrett伝記(英語版)pp110-114

ジャレットがこの楽器を選んだのは、その特別な音色がお目当てだった。彼はモルデントやターンといった古楽の奏法に精通し、ジョン・ダウランドのような作曲家の和声の使い方をしっかり理解し、あるいはポリフォニーの曲作りの中での装飾音符の奏法に対して…

<再掲・邦訳付>:バレンボイム、イスラエルとパレスチナを音楽の力で

現在来日中の、ダニエル・バレンボイムが、2004年5月9日ウルフ賞受賞に際しておこなったコメントからの一節です。公式日本語訳がなさそうですので、拙訳をつけます。これを「夢物語」と片付けず、両「国」のトップには頑張っていただきたいと思います。 De…

Keith Jarrett伝記(英語版)7章pp.106-110

7.栄華と危機 キース・ジャレットにとって1980年代は、初っ端から、演奏活動の面で忙しかった。1970年代にリリースした数々のソロアルバムが、ことごとく大成功を収め、彼はピアノ奏者として、ずば抜けた存在となっていた。同時に、彼の心に火がついて取り…

<再掲>「偉大な霊よ」(インディアン酋長の詩):キース・ジャレットの台所メモ

キース・ジャレットの自宅の台所には、インディアン「スー族」の酋長・イエローラーク(黄色いヒバリ)の有名な「偉大な霊(たましい)よ」の英語訳が貼ってあります。自然豊かな環境から、彼は「Spirits」など、様々な逸品を仕上げるインスピレーションをう…